要介護認定の仕組みを教えてください
介護保険制度では、被保険者がサービスを受けるためにまず市町村に「要介護認定」の申請をする必要がある。認定調査では全国一律の基準を用いて判定する。その流れは、被保険者またはその家族が市町村に対して申請を行うと、調査員が利用者宅を訪問し、決められた選択式の基本調査を番う。この調査は市町村の担当者(ケースワーカーや保健師など)か、居宅介護支援事業者あるいは介護保険施設のケアマネジャーに委託して行うこともできる。ちなみに要介護認定の申請も、家族・親族、民生委員、介護相談員、地域包括支援センターなどが代行することが認められている。
調査員による基本調査は、「麻痺・拘縮」「移動等」「複雑な動作等」「特別な介護等」「身の回りの世話等」 「コミュニケーション等」 「問題行動」 「特別な医療」 「日常生活自立度」 「廃用」の10分野82項目から成っており、その結果はコンピュータで処理され一次判定される。
このコンピュータ判定を補うものとして、調査員が訪問時に聞き取る「特記事項」と、かかりつけの医師による意見書(診療状況や介護に関する意見など)が用意されて、介護認定審査会による二次判定が行われる。介護認定審査会は原則として市町村に設置され、保健、医療、福祉に関する学識経験者から、市町村長が任命したメンバー(5人が標準)によって構成される。
介護認定審査会は利用者が要介護状態に該当するかどうか、要介護度区分のどこに該当するかを判定する。また、申請者が第2号被保険者の場合は、特定疾病によるものかどうか判定し、その結果を市町村に通知する。ここで 「非該当」と判定されると、保険給付を受けることはできないが、認定結果に不服がある場合は、介護保険審査会に申立てができる。
要介護度の区分は、一番軽度の要支援1・2から要介護1~5に分かれ、要介護5が最重度と なる。在宅サービスを利用するにあたって、要介護度の区分ごとに支給限度額が下表のように決められている。
この範囲内での利用は全額が保険から給付され、利用者は利用額の1割を負担する。限度額を超えた場合は全額が自己負担となるため、重度の要介護者の場合、限度額内に収ま
らずに本人や家族が重い経済的負担を強いられるケースもある。認定は申請のあった日から原則30日以内に行われるが、認定の効力は申請時にさかのぼって生じる。つまり、保険給付を受けられるのは申請した日からとなる。また、要介護認定は原則として6か月ごとに見直される。
さて、要介護認定を受けた後は在宅サービス事業者に直接申し込むこともできるが、通常は居宅介護支援事業者に申し込み、ケアマネジャーに介護の計画であるケアプランを作成してもうらことになる。
要支援認定者は地域包括支援センターに利用を申し込み、介護予防のプランを作成する。ただし、多くの在宅サービス事業者は居宅介護支援事業も行っており、自社のケアマネジャーにケアプランを作成させるのが一般的だ。そのためケアプランが窓意的になりやすいという指摘もある。
◆要介護度区分の状態像と支給限度額
| 要介護度 | 状態像 | 要介護認定基準時間 | 支給限度額 | ||
| 居宅サービス区分(月額利用/利用者負担1割) | 住宅改修 | 福祉用具購入 | |||
| 要支援(社会的支援を要する状態) | 日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により、要介護状 態となることの予防に資するよう、手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態※従来の「要支援」は要支援1、要介護1の中で改善が期待できる 場合は要支援2 |
要支援1 25分以上 32分未満 |
49,700円 | 20万円 | 10万円/年 |
| 要支援2 32分以上 50分未満 |
104,000円 | ||||
| 要介護1 (部分的な介護を要する状態) |
要支援状態から、手段的日常生活動作を行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態 | 32分以上 50分未満 |
165,800円 | ||
| 要介護2 (軽度の介護を要する状態) |
要介護1の状態に加え、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態 | 50分以上 70分未満 |
194,800円 | ||
| 要介護3 (中程度の介護を要する状態) |
要介護2の状態と比較して、日常生活動作及び手段的日常生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態 | 70分以上 90分未満 |
267,500円 | ||
| 要介護4 (重度の介護を要する状態) |
要介護3の状態に加え、さらに動作 能力が低下し、介護なしには日常 生活を営むことが困難となる状態 |
90分以上 110分未満 |
306,000円 | ||
| 要介等5 (最重度の介護を要する状態) |
要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態 | 110分以上 | 358,300円 | ||